要介護認定の度合いが高い職場

高齢者の介護施設では、ケアの必要性に応じて入所できる場所が異なります。具体的には、持病などが原因により医学的な支援の必要性が高いのに加え、精神面の問題のために常時医療従事者からのケアが必要とされる場合には、要介護認定の度合いが高い施設に入居しなければなりません。
看護師が職場を選ぶ際は、高齢者の心身のケアの必要性に応じて職務内容も変わってきます。そのため、場合によっては、より高いレベルの技術が要求されるケースも見られるようです。その中でも、特別養護老人ホームは代表的な例です。ケアの必要性が低い施設で行う基本的な看護業務のバイタル測定や配薬だけではなく、精神障害にも配慮したケアを提供しなければなりません。具体的には、寝たきりの状態での血行不良を改善するため、定期的に体位を変えたり、意思疎通が困難で自力で食事や排泄が困難な方を介助したり、夜間に徘徊する高齢者を監視するなど、看護師の役割も多岐にわたります。また、特別養護老人ホームでは認知症をはじめ、精神的に支障を来たしている高齢者が多いのも特徴です。それも物忘れ程度ではなく、思考能力が一時的に停止して突発的な行動に出るケースなども頻繁に見られます。そのため、看護師は介護士や作業療法士などのスタッフと連携して、精神疾患にも対応したケアを提供することになるのです。
これらの理由から、看護師が高齢者のケアに携わる上では、個々の技術力と施設でのケアの必要性を見極め、最適な場所を選ぶことが大切です。